スマート農業を学べる大学は?おすすめの研究室はどこ?

スマート農業を学べる大学は?おすすめの研究室はどこ? スマート農業を学べる大学は?おすすめの研究室はどこ?

2023.03.15

スマート農業とは

農林水産省によると、そもそもスマート農業は「ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して、省力化・精密化や高品質生産を実現する等を推進している新たな農業」と定義されています。

日本の農業は人材不足をはじめとする様々な課題に数十年前から直面しており、依然解決されていない状況にあります。その解決策として最新の技術を活用しようとする取り組みがスマート農業と総称されています。

実際の活用例としては、ロボットトラクタやスマホで操作する水田の水管理システム、ICT技術による熟練農家の匠の技など農業技術の継承、センシングデータ等の活用・解析による農作物の生育や病害の正確な予測などが挙げられます。

専攻分野としては農業環境・農業工学・情報工学!

では、近年注目が集まりつつあるスマート農業を専門的に勉強してみたい!と思ったら、どのような大学を選べばいいのでしょうか?
おすすめの方法としては、専攻分野を選んだうえで、研究室を探し、大学を選ぶという流れが良いでしょう!

「スマート農業」に関わる分野はなにかというと、農業環境・農業工学・情報工学などが挙げられます。

農業環境や農業工学は、食糧生産や地域の生態系、農村の生活などの調和を目指して数学や物理、化学等の工学的なアプローチを行い研究を進める学問です。学部としては農学部や工学部に属している場合が多いですが、大学によって異なるため興味のある大学については自主的に調べてみると良いでしょう。

情報工学は、コンピュータ技術を用いて新しいサービスを開発し、生活をより良くすることや難しい課題を解決することを目指す学問です。データ分析、機械学習、強化学習など扱う分野は多岐にわたります。情報工学はそれ自体が直接農業を扱う学問ではないものの、AIやセンシングなどの技術を活用したスマート農業の事例は数多く存在し、スマート農業において欠かせない学問分野となっています。

スマート農業を学べる代表的な大学

さて、上記のような学問分野を学べばスマート農業に携わることができると述べましたが、実際にどのような大学や研究室でスマート農業に関する研究がなされているのでしょうか?

日本全国各地の大学から、スマート農業の研究をしている研究室をいくつかピックアップしてみました。

東京大学

東京大学の農学生命科学研究科生物・環境工学専攻生物機械工学研究室では、芋生憲司教授が中心となり農作業に活用できるロボットの研究をしています。

具体的には、柿の大きさと熟度を判別し、はく皮機(自動皮むき機)にセットするロボットの企業・JA・長野県農業試験場との共同開発や、新しい草刈機の開発をしています。

これらの開発により、日本の農産物(柿)の需要に対する生産量不足や、草刈機による事故の発生率が高いことなどの課題の解決が期待されています。

九州大学

九州大学の農業生産システム設計学研究室では、農業機械の最適設計に関する研究が行われています。

実際の研究内容としては、コンバインの効率を高めるための籾の揺動選別現象の解明が一つのテーマとして取り上げられています。

籾の揺動選別現象とは、コンバイン内部で混在している穀粒や藁屑などを選別するために揺動振動を与えることです。揺動振動による選別性を向上させるために、混合物総質量、籾・藁屑混合比、籾・藁屑の湿り状態、揺動駆動軸回転数、チャフシーブの開度の5つの制御因子に着目し、設定条件を変化させることでこれらの因子が選別性能に与える影響を調べています。

北海道大学

北海道大学の農学研究院ビークルロボティクス研究室では、農機のロボット化、リモートセンシング、農業情報のデータ化などのスマート農業に関する研究がされています。

具体例としては、マシンビジョンや測位衛星などを利用したトラクタなどの無人化や自動走行や、衛星リモートセンシングと低層リモートセンシングを組み合わせた圃場モニタリングシステムの構築、「気象」や「作業履歴」などの情報を活用したベテラン農家の匠の技の再現などに関する研究が行われています。

これらの研究によって、農業における人手不足や高度な人材の不足といった問題の解決が可能となります。

千葉大学

千葉大学の園芸学部園芸学科生物生産環境学プログラムでは、環境制御および省エネ・省資源技術の開発生育モニタリングと成長促進技術の開発や機械化・自動化に関する研究が行われています。

具体的には、遮光率や温度、LED照明の光量などを制御して、トマトやキュウリなどの作物の成長がどのように影響を受けるかを調べています。この研究を通して、作物の高品質化や労力の低下が期待されています。

神戸大学

神戸大学農学部食料環境システム学科生産環境工学コース生物生産機械工学研究室では、水田や畑など屋外のフィールドにおける作物生産を支えるための技術開発を行っています。工学だけにとどまらず作物や雑草そのものの特性を扱うこともあり、工学と農学のすきまを新たなフロンティアとして切り開いています。

具体的には、稲を機械で収穫中に米の出来高(収量)の地図を作る機械やタマネギの個別重量センサー、水田での除草機、田植え機の自動化などが開発されています。

これらの技術が実現することで、省力化による農業の人材不足解消や、高付加価値化が期待されます。

大阪府立大学

大阪府立大学大学院生命環境科学研究科生物環境調節学研究グループでは、多段型植物生産システムや光質制御フィルムによる植物の生育制御に関する研究が行われています。

具体的には、小型軽量なユニットを組み合わせることによって自在に規模を調節できる簡易な植物育成装置や、植物の形態的・生理的特性を変化させることによる病原体の発育の抑制などが研究・開発されています。

これらの技術により、農業の自動化や高品質化などが期待されています。

琉球大学

琉球大学農学部農産施設工学研究室では、農作物の品質評価に関する研究が行われています。

具体的には、携帯型の近赤外分光装置を利用したマンゴーの選別や、励起・蛍光分析データ(EEM)を用いた農産物の品質評価に関する技術の研究や開発がされています。関係機関や農家との共同で開発がされるケースが多いです。

品質評価の技術が向上することで、マンゴーをはじめとする農作物をより高付加価値化できることが期待されています。

まとめ

今回の記事では主に7つの大学を取り上げて、スマート農業に関する研究内容をご紹介しました。「ロボット技術を用いた省力化」や「データ分析やセンシング技術を用いた高品質化」など、いくつかの研究室では他の研究室と同じアプローチを取って農業の課題を解決しようとしているところもありました。

もちろん、ここで紹介した大学が日本でスマート農業が学べる大学の全てではなく、紹介した研究室も大学のごく一部なので、興味を持った場合は積極的に研究室について調べたり訪問してみたりしてみてください!

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参考
スマート農業とは、どのような内容のものですか。活用によって期待される効果を教えてください。:農林水産省
農業環境工学科とはどのような学科か
http://www.bme.en.a.u-tokyo.ac.jp/Japanese/theme.html
https://www-ampsd.bpes.kyushu-u.ac.jp/?Page=Researches
http://vebots.bpe.agr.hokudai.ac.jp/%e7%a0%94%e7%a9%b6%e5%86%85%e5%ae%b9/
植物工場|研究
生産環境工学 生物生産機械工学 | 神戸大学大学院農学研究科・神戸大学農学部
研究紹介
農産施設工学研究室 | 琉球大学 農学部