深谷市長提言

深谷市長提言 深谷市長提言

2021.03.17

新時代の農業の形、「深谷モデル」創造へ
アイデアとベンチャー精神に期待します。

「DEEP VALLEY アグリテック集積宣言」は、江戸から明治にかけて日本の金融、製造、鉄道などあらゆる産業の振興に貢献した郷土の偉人・渋沢栄一の精神に習い、深谷市がベンチャー精神溢れる企業とともに新しい、儲かる農業づくりに挑もうとする決意の表明です。深谷市は『深谷ねぎ』をはじめ、ブロッコリーやトウモロコシなどの新鮮な“深谷野菜”、都心へのアクセスの良さを生かした切花、畜産では『深谷牛』『武州和牛』など、「関東の台所」であり、日本有数の農業生産地です。しかし、深谷市も日本全体の課題である人口減少・高齢化・人手不足・耕作放棄地の増加という課題に直面しています。これを打開するためには、より付加価値を生み出す農業、「儲かる農業」を実現し、意欲ある就農者を確保する必要があります。そして新たな農業創造の核となるのは「民力」だと考えています。深谷の強みである農業とアイデア溢れる企業のマッチングが、新たな化学反応を巻き起こし、農業に新たなイノベーションをもたらすことを期待しています。これまで人手で行ってきた圃場の雑草の除去や、野菜の手作業での収穫などからの解放や、品種改良、収量の拡大など、最新のテクノロジーで解決できる課題は数多くあるはずです。

深谷市長 小島  進
深谷市長小島 進

すでに深谷市内の企業の中には、特許を取得し、国内シェアトップを誇る製品を開発している法人もあります。ドローンやAI、自動運転といった先端技術とともに、こうしたビジネスのアイデアや儲かる仕組みづくりを進めることが必要です。技術開発などについては、埼玉工業大学などの協力を仰ぎ、産学官連携で進めることも計画しています。深谷市では本プロジェクトと並行して、農業生産額で全国6位を誇る、野菜を生かして、観光客が何度でも訪れたくなるような様々な取組みを展開する『ベジタブルテーマパーク フカヤ』の戦略計画が始動しています。農業・観光を核に人が集い、企業が集積するまちへ、深谷はいま新しい一歩を踏み出そうとしています。

日本が健康長寿社会を迎える中、農業の果たす役割はますます重要になっています。アグリテックコンテスト開催に当たり、私たちは「ここから新時代の農業を発信していく」との思いを強くしています。これからの農業は、工業や商業と連携することで、きっともっと面白いことが実現できるでしょう。本プロジェクトでは一次産業から三次産業までが一つの屋台骨の中に集合し、地域を変革できることを実証したいと考えています。農業を中心に「こんな素敵なことができた」と誇れることが私の夢であり、目標です。そしてこのチャレンジが確かな成果に結びついた暁にはこれを「深谷モデル」として全国に発信していきたいと思います。
私たちが目指すのは「元気と笑顔の生産地 ふかや」です。アグリテックコンテストを軸に農業の力で、まち全体を活気づけ、本物の農業のまち、人々の笑顔をつくります。ぜひ多くの方に参加いただき、夢の実現に向け知恵と力を結集したいと思います。

深谷市長 小島  進

渋沢栄一のベンチャースピリットを継承

新たな1万円札の顔となる郷土の偉人渋沢栄一は、金融、メーカー、鉄道など産業の振興によって社会課題を解決し、まちや国家の発展に貢献しました。深谷市はこの渋沢栄一のベンチャースピリットを継承し、民力による豊かな農業、儲かる農業都市の実現を目指します。「DEEP VALLEY アグリテック集積戦略」では、さまざまな企業の知恵や技術を深谷市に集め、アグリテックを生み出し、この地から日本の農業の課題解決を目指します。さらには、ここから生まれた「深谷モデル」を国内外に発信し、産業発展に貢献する企業や人財を多く輩出していきます。

渋沢栄一
渋沢 栄一

農業を核として地域の稼ぐ力を高める

日本の人口減少が進む中、深谷市もまた人口減、市内の商工業の規模・従業員の減少傾向が続いています。グローバル化の進展は大企業の海外での生産を加速し、地元への誘致は困難になりつつあります。将来にわたり、深谷市で最も経済波及効果が期待できる産業は、農業と食料品製造業です。最新技術や企業を誘致することで農業の生産性を向上し、農業の「稼ぐ力」を高め、地域の他の産業への波及を図り、持続可能な社会に変革する。その具現化を目指すのが「DEEP VALLEY アグリテック集積戦略」です。