![ファイナリスト集合](https://deep-valley.jp/wp-content/uploads/2023/01/20221220_1.jpg)
ファイナリストが深谷に集結、小島市長が激励
「DEEP VALLEY Agritech Award(ディープバレー・アグリテックアワード)」は、埼玉県深谷市が、市内の農家が抱える課題を解決する優れた技術(アグリテック)を表彰する取り組みで、今年度で第4回目を迎えました。10月に最終審査が行われ、2022年度の「未来創造部門」「現場導入部門」の最優秀賞が決定し、その表彰式が開催されました。
表彰式の会場には、審査員、DEEP VALLEY推進パートナー(深谷商工会議所・ふかや市商工会・埼玉工業大学)、深谷市議会議員、関係企業らが来場しました。式の開会にあたって深谷市の小島市長は、「若い人たちが農業をいろいろな角度から見てアイデアを出してくださるのは素晴らしいことです。深谷のまち を拠点として素晴らしい農業ができ上がっていくことを、うれしく思います」と挨拶をしました。
![小島市長](https://deep-valley.jp/wp-content/uploads/2023/01/20221220_2.jpg)
続く協賛企業の挨拶では、株式会社シタラ興産 代表取締役の設楽竜也さんが、「技術によって企業や農業は発展していく。20年、30年後を見据えたアグリテックアワードは大変素晴らしい」と述べ、株式会社FUNDINNOのマネージャー 岡宗一郎さんは、「農業の課題を解決するスタートアップを積極的に応援していきたい」と参画の思いを述べました。
壇上では「未来創造部門」「現場導入部門」の各部門のファイナリスト5社を紹介。表彰式に参加した4社の代表者に対して小島市長より記念品のプレートが手渡され、来場者らが拍手で称えました。
各賞の発表!最優秀賞2社が抱負を語る
まずは協賛企業賞の発表です。シタラ興産賞を、イチゴのパック詰め作業を改善する計量機「テーブルコンビmini」の株式会社オーケープランニングが受賞。代表取締役の波多江満さんが「農家の方のはかりの悩みを解決する開発を続けています。そのはかりで深谷の農業の発展に貢献できるように頑張りたい」と抱負を述べました。FUNDINNO賞は、カブトムシによる有機廃棄物処理技術を提案する株式会社TOMUSHIが受賞しました。
両社にはそれぞれ、協賛企業から賞金20万円と盾が授与されました。
![シタラ興産賞](https://deep-valley.jp/wp-content/uploads/2023/01/20221220_3.jpg)
![ファンディーノ賞](https://deep-valley.jp/wp-content/uploads/2023/01/20221220_4.jpg)
そして各部門の最優秀賞の発表です。「未来創造部門」はH2L株式会社、「現場導入部門」は株式会社TOMUSHIが受賞し、両社の代表に小島市長より深谷市の事業への出資交渉権とトロフィー、副賞の深谷ねぎ10kgが授与されました。
遠隔で感覚を共有するBodySharing®の技術を研究するH2Lは、遠隔農業ロボットサービスによる農業支援を提案。同社非常勤研究員の三宅太文さんは壇上で「この栄誉ある賞に恥じないように新しい農業のあり方をライフスタイルまで含めた仕組みとして考えていきたい」と述べました。
![H2L](https://deep-valley.jp/wp-content/uploads/2023/01/20221220_5.jpg)
現場導入部門のTOMUSHIは協賛企業賞とのダブル受賞です。「廃棄物は宝の山!!持続可能な儲かる農業!!」と題して、有機廃棄物をカブトムシのエサとして資源化する技術を地域の農家と共に活用し、飼料・肥料・たんぱく源を生産・販売することで利益を還元するビジネスモデルを提案。「小島市長から『面白い、子どもたちにとって夢がある』と言っていただき、僕らもカブトムシも大喜びです。深谷市は第二の故郷という気持ちで事業に取り組みます」と述べました。
![TOMUSHI](https://deep-valley.jp/wp-content/uploads/2023/01/20221220_6.jpg)
2021年度の最優秀企業が進捗報告発表、深谷市で実証実験が進展
各賞が授与された後には、2021年度の「現場導入部門」最優秀賞の株式会社Root代表取締役の岸圭介さんから、現在の事業の状況が動画で発表されました。
「スマートグラスAR農作業補助アプリ『Agri-AR』を開発する同社は、機械作業の準備や作物のサイズ測定をアプリで効率化する実証実験を、深谷市で農業者と共にスマートグラス20台を運用して進めています。今後はGNSS(全球測位衛生システム)などを活用して精度を高め、どのような農作業の場所でも使えるアプリを目指します。またテストに参画する農業者から作物の指計測などのアイデアが得られ、2年目以降の計画を前倒しで進められていると報告。「2023年はメニューの一つであるAR直線ガイドの能力向上、諸条件を克服するアイデアをテストして実装していきます」と抱負を述べました。
![Root](https://deep-valley.jp/wp-content/uploads/2023/01/20221220_7.jpg)
閉会の挨拶として、小島市長からは「深谷で腰を据えてみなさんのアイデアを大きくしてほしい。深谷、日本の農業が発展するように、この取り組みとみなさんの考えが広がっていくことを祈念します」と受賞者に言葉が送られました。
![授賞式](https://deep-valley.jp/wp-content/uploads/2023/01/20221220_8.jpg)
多様なアグリテック企業が表彰式会場に終結!展示会も実施
表彰式当日、会場外の市役所ロビーにて過去アワード参加企業や登壇したファイナリストらによる合同展示も行われました。
参加企業
【DEEP VALLEY Agritech Award 2019】
・株式会社 PROPELa(コンセプト部門 最優秀賞)
【DEEP VALLEY Agritech Award 2020】
・株式会社レグミン(現場導入部門 最優秀賞)
・株式会社AmaterZ(現場導入部門 ファイナリスト)
【DEEP VALLEY Agritech Award 2022】
・H2L株式会社(未来創造部門 最優秀賞)
・株式会社TOMUSHI(現場導入部門 最優秀賞・FUNDINNO賞)
・株式会社オーケープランニング(シタラ興産賞)
・テラスマイル株式会社(現場導入部門 ファイナリスト)
![展示ブース](https://deep-valley.jp/wp-content/uploads/2023/01/20221220_9-scaled.jpg)
昨年の表彰式から1年で最優秀企業による技術実装へ向けた取り組みが進み、今回の受賞者による深谷市での挑戦にも期待が膨らみます。
過去のアワード参加者企業による取り組みも着々と進歩し、これまでの取組が現場へ近づきつつあることは間違いありません。DEEP VALLEY運営事務局は、これからもアグリテックの更なる現場導入と技術革新に向けて、企業や農家のみなさんと共に日々活動を進めていきます。今回実施した各企業による合同展示はまさにその始まりとして、今後も市民の皆さまや農業界に携わるすべての関係者の方に、新しい農業や食にまつわる技術・アイデアを身近に感じていただけるよう取り組んで参ります!