情熱をもった生産者が一堂に
葱会は、全国のネギ生産者限定の農業展示会。生産技術や農業経営力の向上や交流を図り、未来の農業を支えていくことを目的としています。当日はねぎ生産の全国的な中心である深谷市に情熱を持った生産者らが集い、活気ある雰囲気に包まれていました。
イベントを主催するこいけやは、ねぎ苗の生産から各種農業資材・機械を取り扱っている老舗であり、ネギ栽培のコンサルサービスである『ネギ参謀』も全国に展開しています。DEEP VALLEYの取り組みにおいても、現場へのつなぎや技術的なサポート、アグリテック企業の仲介など多くの面で力を頂いている大切なパートナーです。
今回のイベントには、関東を中心に岩手から兵庫まで多くの生産者が参加したほか、種苗、肥料、人材派遣や事業経営コンサルなど、全国の事業者が来場。過去のアグリテックアワード参加企業では、株式会社Legmin(レグミン)、株式会社Root、株式会社FieldWorksも参加しました。
活発な意見交換が行われた1日目
開会に先立ち、こいけやの小池博社長は「生産者とメーカーをつなぐ場として、この企画をしている。また、生産者同士が地域、エリアを越えたつながりをつくれることが嬉しい。ここにいるみなさんと、日本の農業の大切さを世界に伝えていきたい」とあいさつ。
その後、アグリテック企業者の代表者が登壇し、それぞれの取り組み事例や特別講演が実施されました。
【特別講演】
①『経営計画書作成について』
株式会社古田土経営 野中氏
生産者の計画書というと、栽培計画を真っ先に思い浮かぶ方が多いと思いますが、今回は経営についてのお話です。生産者目線では後回しにされてしまいがちですが、これからの農業には経営はとても大事です。頑張ったら利益が出るという時代ではなく、計画をしっかり立ててきちんと経営をしていくこと、そのための相談方法などについてのお話しをいただきました。
②『これからのスマート農業/アグリテックの活用』
株式会社Legmin(レグミン) 野毛氏
これまでの自律走行型農薬散布ロボットのサービス展開の話を軸に、これからスマート農業をどう広げていくか、どうしたら広がるかについてお話いただきました。
「スマート農業が広がっていくためには、ロボットだけでなく、圃場がスマート農業に寄っていくことも必要。寄せていくことで導入コストが下がる」という内容が印象的でした。
株式会社Root 岸氏
アプリ開発によって、単純な作業を効率化することを目的とした、スマートグラス/スマートフォン/タブレットによるAgri-ARの取り組みについての講演です。
社会の技術革新により、特にスマートグラスが安価になってきたことが、農業現場への普及に追い風となってきたと語っていました。
③『ネギ農家の農福連携』
株式会社元気もりもり山森農園 山森氏
三浦市で営農されており、生産者が行う経営の例として、実際の社員との接し方や働き方などをお話いただきました。会社としてのルール設定、作業の曖昧な部分をなくすことでの作業効率化を図るなど、視点がまさに経営であり、特に生産者のみなさんにとってはとてもリアルな内容でした。
【展示会】
イベントでは、26社が出展。どのブースも次から次へと人が入れ替わり、話が途切れません。飛び交っている言葉も専門的で、活発な意見交換がなされている様子がうかがえました。
株式会社寺田商会
株式会社FieldWorks
株式会社Root
最新のスマート農業技術に触れた2日目
2日目には「花園の深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」で、最新スマート農業技術の見学が行われ、株式会社Legmin、株式会社FieldWorksがロボットを実演しました。
あるアグリテック企業の参加者は「生産者にも農業関係者、企業にこれだけ会えるイベントはなかなかない。しかも、ねぎに関するものとわかっているから、目的や対象がブレないから、さらに価値がある。参加できてよかった」と話してくれました。