楽しみながら農業を体験できる複合施設が3月オープン
はじめに発表したのは、グリーンラボ 株式会社の代表取締役 長瀬勝義さんです。グリーンラボは新たな事業『FUKAYA WORKs』を深谷市で展開します。太陽光利用型植物工場とワークスペースを装備した『Veggie_Works』を市内に10棟(宅地型5棟、農地型5棟)設置し、2021年2月からは土耕と水耕ができるアグリワーケーション施設『One_Farm』を旧豊里幼稚園跡地にオープンします。
Veggie_Worksは、同社が開発した縦型水耕栽培装置(Bi-Grow)や養液管理装置、空調機等を搭載した仮設型ハウスです。事務作業ができるワークスペースが内部に設けられているのも特長です。
One_Farmは、2,000㎡ほどの敷地に5棟のVeggie_Worksと土耕スペースを備えた施設であり、グランピング施設をイメージした休憩エリアにレンタサイクルも備えているのが目新しく、農業と遊びを一度に体験できます。
「周辺地域の方々を巻き込んで、農業の新しい形に気軽に触れてもらう施設です」と代表取締役の長瀬勝義さんが語るように、農業に関わる人を中長期的に集める仕組みをスタートさせます。
地産地消をスマートにするWebサービスが実証段階に
次に発表したのが株式会社 PROPELaのCEO 山中祐一郎さんです。PROPELaが手掛けるプロジェクトは、欲しい農作物を近場から探す『地産FINDER』と売り物情報をシェアする『地産NOTE』で、2月26日から実証実験を開始します。
この2つのサービスによって、生産者と身近な需要者のニーズを簡単にマッチングさせることができます。利用する流れとしては、生産者は商品の情報(種類、収穫時期、数量等)をスマホのアプリである地産NOTEで発信します。レストランや食堂、町の給食センター等の需要者は、Webで一覧できる地産FINDERで検索して必要な物を見つけ、生産者に商談の連絡をし、納品や売買を行います。
近隣であれば、需要者が直接取りに行くことも選択肢として挙げられることから物流コストの削減も期待できます。
CEOの山中祐一郎さんは「色々と検証しながら、まずはこの深谷から地産地消のシステムを全国に広げていきたい」と意気込みを語りました。
深谷市が「アグリテック(農業×技術)」を集積し、生産性の向上や儲かる農業の実現を目指す「DEEP VALLEY アグリテック集積戦略」を打ち出してから2年が経ちました。農業人口の問題に取り組むグリーンラボ 株式会社、農家の収入を増やしたい株式会社 PROPELaの挑戦は始まったばかりで、この取り組みがどのように発展するのか今後注目です。