深谷市と株式会社AGRI SMILEが連携協定を締結しました

2023.03.14

2023年3月1日、埼玉県深谷市(市長・小島進)と株式会社AGRI SMILE(代表取締役・中道貴也)はアグリテックに関する連携協定の締結を行い、市役所にて締結式が行われました。
今回の協定はAGRI SMILEが自治体と締結する初の連携協定であり、今後深谷市内でバイオスティミュラントの開発と検証を行うなど、深谷市の将来都市像の実現に向けて農業を基軸とした持続可能な社会の実現を図ります。

締結式の様子

最新技術の研究を行うAGRI SMILE社と技術の現場導入を進める深谷市が連携

2019年より農業の課題をテクノロジー、いわゆるアグリテックで解決するべく「DEEP VALLEY(ディープバレー)構想」を立ち上げた埼玉県深谷市。この度深谷市は、「農業生産技術の研究開発・栽培管理・販売支援」まで、生産現場の課題改善をトータルサポートする農学系研究集団である株式会社AGRI SMILEと連携協定を締結しました。アグリテックの現場導入を推進する深谷市は日本有数のねぎ生産地であり、AGRI SMILEは深谷市を実験圃場として同社の保有する「バイオスティミュラント」の技術を活用した製品開発や研究を進める意向です。

深谷市の小島市長は「令和元年からアグリテックの集積に向けて力を入れてAgritech Award(アグリテックアワード)の実施にも取り組んでおり、現在国のスマ農関連プロジェクトが市内で3件行われている。深谷の農業課題の克服を推進するためにAGRI SMILE社と一緒にやっていきたいという思いで、今回協定の締結に至った」と、これまでの深谷市の取組をさらに加速させ、技術のさらなる現場導入と深谷のブランド力向上を目指すことを目的とした連携であることを強調。また、「ねぎの作付け面積全国2位の深谷市では大量のねぎ残渣が発生しており、行政としても長年の課題と認識している。そのねぎ残渣を活用する研究をAGRI SMILEは行っており、まさに我々が目指している農作業や環境の改善と、ブランド力向上に向けた取組ができると思っている。昨今のSDGsの世界でAGRI SMILEと連携ができることにワクワクしているし大きな夢を持っている。この協定をスタートとして、新たな農業に一緒に進んでいきたい」と大きな期待を述べました。

小島市長

株式会社AGRI SMILEの代表取締役 中道氏は「全国でも屈指のアグリテック集積に取り組む深谷市と連携協定の締結に至り、大変うれしく思います。バイオスティミュラントを活用した減肥栽培による環境に優しい農産物の生産や、ねぎ残渣を活用したバイオスティミュラントの開発・検証による、新たなブランド作りや脱炭素地域の推進に取り組んでいきたい」と抱負を語りました。また、「日本初の化学肥料会社を設立した渋沢栄一が生まれた場所である深谷市で、バイオスティミュラントを活用した次世代の農業を実現したい」と深谷市ゆかりの渋沢栄一になぞらえた思いも語り、挑戦への強い意欲を見せました。

AGRI SMILE 中道氏

最後に小島市長は「深谷市からアグリテック農業が飛躍するのが夢です。農業をもっと元気にしていきたい。深谷ねぎのブランドをより向上させ、これからの新たな取組で『安全・安心でおいしい深谷ねぎ』をもっと広めていきたい。今回のAGRI SMILEとの連携協定締結から、深谷の農業を発展させ、面白くする。深谷から日本の農業を変えるため、大きく前進します」と、連携による事業開発やこれからのアグリテック集積に向けた取組の決意を示しました。

締結式の様子

主な連携内容について

1.バイオスティミュラントを活用した深谷ねぎの減肥栽培

深谷市内の管轄地域の深谷ねぎ圃場において、AGRI SMILEが厳選したバイオスティミュラント資材の検証を実施。化学肥料の使用量低減と、農業における温室効果ガスの削減に資する環境にやさしい栽培技術を検証することで、グリーンな栽培体系への転換を図る。

2.深谷ねぎの残渣を活用したバイオスティミュラントの開発と検証

深谷ねぎの収穫時には、ねぎの皮と根が残渣として廃棄されている。AGRI SMILEでは、ねぎ残渣がバイオスティミュラントとして有効であることを推認しており、深谷市内で実際に排出された深谷ねぎ残渣を活用し、バイオスティミュラントの開発と検証を行う。

3.深谷ねぎのブランディング活動

深谷市でのセミナー開催やAGRI SMILEが保有する情報メディア等を利用して、バイオスティミュラントを使用した栽培や環境保全農業に関する情報、深谷ねぎに関する情報の発信を行い、生産者および消費者への理解を深め、深谷ねぎのブランディングを図る。

引用:AGRI SMILEプレスリリースより

バイオスティミュラントとは

ヨーロッパを中心に、世界で注目されている新しい農業用資材。2021年には、農林水産省が策定した『みどりの食料システム戦略』において革新的農業技術として言及され、日本国内でも急速に関心が高まっている。気候や土壌などのコンディション不良に代表される非生物ストレスによる発育阻害を軽減し、植物が本来備えている育つ力を引き出すことが、バイオスティミュラントの効果である。

事例O2

深谷市と株式会社AGRI SMILEが
連携協定を締結し、
バイオスティミュラントの
開発・検証に向けた一歩を踏み出す

株式会社AGRI SMILE
株式会社AGRI SMILE
代表取締役

中道 貴也さん

「テクノロジーによって、産地とともに農業の未来をつくる」をパーパスに、JAとともに産地のDXやGXを推進する。
バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会を主導。

事例O2

深谷市と株式会社AGRI SMILEが
連携協定を締結し、
バイオスティミュラントの
開発・検証に向けた一歩を踏み出す

深谷市での取組に向けて
全国でも屈指のアグリテック集積に取り組む深谷市と連携協定を締結の上、バイオスティミュラントを活用した減肥栽培による環境に優しい農産物の生産や、ねぎ残渣を活用したバイオスティミュラントの開発・検証による、新たなブランド作りや脱炭素地域の推進に取り組んでいきたいと思います。
▶AGRISMILE公式HP
▶バイオスティミュラント活用による脱炭素地域づくり協議会
深谷市との主な連携内容
1.バイオスティミュラントを活用した深谷ねぎの減肥栽培
2.深谷ねぎの残渣を活用したバイオスティミュラントの開発と検証
3.深谷ねぎのブランディング活動