プレエントリー企業向けに深谷市視察ツアーを開催

2021.06.24

深谷市は2021年6月11日(金)、「DEEP VALLEY Agritech Award 2021」にプレエントリーしている企業や参加者を対象とした深谷市現地視察ツアーを開催しました。ツアーは過去受賞した企業の活動視察なども含まれており、北は宮城県、南は熊本県からコンペに挑もうとする方々が深谷市に集まりました。

深谷視察ツアー

個性派農家が、収益向上の取り組みと課題を説明

最初に訪れたのは深谷市の農業の現場を知ってもらうため、定番野菜から珍しい野菜など数多くの品種を栽培する「力丸農園」です。時代に合わせた品種栽培をポリシーに、ここ数年はゴボウの生産やオリジナルブランド『ごぼうだもの』シリーズの加工品販売を主力としてきましたが、最近ではカリーノケールやジャンボ小松菜といった業務用野菜の受注生産をメインに、珍しい西洋野菜やインスタ映えする紫色の野菜、スティック野菜などを3haの畑で栽培しています。

参加者から悩みについて聞かれると、一番の課題として”労働力不足”を挙げ、自身でも荷姿に手間がかからないコンテナ売りに注力したり、向きを気にせずパッケージ詰めできるピーマン栽培を導入している事を参加者に説明していました。

それでも自身ができる事には限界があるため「業界として全体が盛り上がればいい。その点、深谷市はサポートしてくれるので色々と乗っかっています。こんないい市は他に無いと思うんですが、まだまだ参加してくれる農家が少ない」と苦笑いで参加者に語りかけ、労働力不足の改善と効率化、農業が儲かるナイスアイデアを皆さんに期待していますとエールを送りました。

深谷視察ツアー

2020年度受賞企業が語るアワード参加の意義

次の目的地は71haの耕作地でネギやキャベツ、小松菜を中心に栽培している有限会社ファームヤードです。JGAPやASIAGAPの認証を取得し、最新技術の導入にも積極的な大規模生産法人であるのに加え、現在は株式会社レグミンの実証実験パートナーとしてタッグを組んでいる農場です。

一方のレグミンは「DEEP VALLEY Agritech Award 2020」で現場導入部門最優秀賞を受賞した企業で、播種から収穫までの作業や画像解析による作物管理を支援する自律式農作業ロボットを開発しています。農林水産省の「令和3年度スマート農業実証プロジェクト」にも採択されるなど、今勢いのあるアグリテック企業の1社でもあります。 同社の代表取締役である野毛慶弘さんはスマート農業実証プロジェクトにも触れ、「応募まで1カ月半しかありませんでしたが、深谷市に相談したところ、あれよあれよと紹介でコンソーシアムも構成でき、無事に採択された結果に感謝しています」と深谷市の強力なサポートがあってこそと力説していました。

また、ハードウェアや制御方法、実証実験のデータ取得など参加者からの質問にも快く答え、DEEP VALLEY Agritech Awardに参加した先輩として雰囲気も含めたコンペの対応策なども伝授。「プロダクト開発や実証につながる具体的な意見も数多くいただけたので、参加した意義はものすごく大きかったです」と、参加するメリットについても話していました。

深谷視察ツアー

JAふかやで深谷市の農業を知る

午後になって向かった先は、JAふかやの「JAふかや西部営農経済センター」です。こちらの施設は選果場になっており、現在(2021年6月)は旬のトウモロコシ『味来』が生産者より運び込まれ、東京を中心とする関東一円から北は青森県まで出荷されています。

深谷市の西部は土壌の関係からトウモロコシとブロッコリーを扱う農家が多い事も紹介されました。作業の流れや選果基準が説明され、それに伴う問題点や現在検討している解決策に参加者は熱心に耳を傾けていました。

深谷視察ツアー

2019年受賞企業の施策を見学

ツアー最後は「DEEP VALLEY Agritech Award 2019」で表彰されたグリーンラボ 株式会社が開設した『ONE FARM 深谷 Works』です。『ONE FARM 深谷 Works』は幼稚園の跡地を利用し、誰もが気軽に最先端農業技術に触れることができる事をコンセプトに2021年4月にオープンした施設です。

折しも緊急事態宣言が再度発令された現在は残念ながら休園になっていますが、IoT技術を活用したコンパクトな太陽光利用型植物工場『VEGGIE Works』、農業と遊びを体験できるテントサイトなど、新しい農業のカタチを誰もが興味深く見学していました。

深谷視察ツアー

視察ツアーの終了後、参加者からは「今回のツアーは役立つ情報が入手できると思いましたが、想像以上の収穫でした」と、訪問先や参加者を含め、普段接することのない人達からも話が聞けたことに満足している様子でした。

ツアーを企画した産業振興部 産業ブランド室の福嶋隆宏さんは、「DEEP VALLEY Agritech Awardもそうですが、今回のツアーのように皆さんが自然と意見交換できる場を今後も設けて行きたいですね」と、深谷の農業に魅力を感じる人を集める取り組みも考えていると話していました。

「DEEP VALLEY Agritech Award 2021」のエントリー〆切は2021年7月9日(金)17時です。「農業を変革したい」「地方創生に貢献したい」「新たなビジネスモデルを発信したい」そんなベンチャー精神あふれる皆さんのエントリーをお待ちしています。

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